「Syumilation」 Epraim(札幌)

「Syumilation」 2026.1.16-25   Ephraim(札幌市)

2024年の展示から、作品と空間と鑑賞者の関係について探っており、2025年3月の「Sound and Vision」では作品をより空間に拡張するため麻の網を用いたが、今展示ではより空間となじませるために木材を使用している。支持体(キャンバス)が麻布と木枠から成る絵画という枠組みの解体とともに、2年前から試みている作品鑑賞の遠近感に伴う、視覚的な体感の変化を捉え直そうとする試みである。

展示に寄せた文

「Syumilation」

これは造語である。よく、シミュレーションの発音がシュミレーションになってしまう現象がある。これは音位転換と呼ばれる現象で、中にはこの間違った音のまま名称として定着するものもあるのだそう。無かったものや、本来違うもの、今は目に留まらないものが、未来で答えの一つとなる日がくるかもしれない。

去年の半ばから、久しぶりに色彩に回帰した。ブランクもあり、色彩の持っている情報量の多さに戸惑いながらも、制作の基盤が素材の質感にあるのだと立あらためて省みた。今回はその渦中の作品と2年前から去年半ばまで制作していた白黒の作品をどのように交差させるかを探る場とした。

本展示はショップであり、店主が選り抜いた商品が中心にある。ギャラリーのように作品主体の空間ではない。服やアクセサリー、什器やラックが並ぶ空間に対話するように意識して配置している。また、鑑賞の導線・角度が固定されていることから木材を入れることによって空間の余白に強弱をつくり、作品の圧迫感を調整することを試みた。支持体(キャンバス)が麻布と木枠から成る絵画という枠組みの解体とともに、2年前から試みている作品鑑賞の遠近感に伴う、視覚的な体感の変化を捉え直そうとする試みである。

ここ数年にわたり、絵画とはなんなのか、自分のつくっているものは絵画なのか、そしてそれを観ることで生まれる体感はどのようなものかと考えてきた。この場でもそれらを観察し向き合っていきたい。

いつか答えの一部になるだろうか。